ロス・ラブグローブは骨と細胞好き

ポンピドーにエバンス展を観に行った際のもうひとつの収穫はロス・ラブグローブの作品展が開催されていたこと。じつはこれも目当てでした。

英国生まれのラブグローブ(1958年生まれ)にはぼくも何度か会ったことがあります。ものすごく聞きやすい英語を話すということと、頭脳明晰ということと、骨や細胞が大好きなひとというのが印象的です。

「Convergence」(コンバージェンス=収れん)と名づけられたこの展覧会では代表的な工業製品や試作の多くを展示。加えてラブグローブが好きないろいろなものの試作が並べられています。ひとつは上の3Dプリンターによる細胞組織の模型。


どきっとするこちらは象の頭蓋骨。フィルムインタビューを観ていたら欲しいもののひとつとして火星などと並んで「マンモスの骨」と答えていて笑えました。こんな骨の要素を昇華させたプロダクトデザインの習作が「Car On a Stick」。


これがラブグローブの考える未来のクルマ。ひとは丸く座って円形のドームで覆われます。中心部が棒に刺さるようになっていて、それがネーミングの由来。串刺し駐車というのもユニークな点です。ぼくはあのかたちってナンだろうなあと思っていただけに、象の頭蓋骨と並べて置かれているのを観て腑に落ちました。


これもどこか骨的。ルノーのために試作したコンセプトモデルのホイールなのです。この意図も今回なるほどとわかったもの。


日本だとヤマギワのためにデスクランプを設計しています。あれも骨でした。骨がぱかっと開いてランプになるデザイン。「バイオライト・イオン」といって10年ほどまえに発売されました。コレクターズアイテムでしょう。

とにかく工業デザイナーはこだわるとおもしろい。不気味さをアートに昇華させてしまうラブグローブのコンセプトがわかるいい展覧会です。



ogawa fumio HP

小川フミオのホームページ フリーランスのライフスタイルジャーナリスト クルマ、グルメ、ファッション(ときどき)、多分野のプロダクト、人物インタビューなど さまざまなジャンルを手がける 編集とライティングともに得意分野で企業の仕事もときどき 「朝日新聞&M」「GQ」「UOMO」「openers」などライフスタイル系媒体に 紙とウェブともに寄稿中