1月2月は豊作

時間があるとなるべく映画館に足を運ぶ。映画館って、至福の場所。さいきんいい映画が多いなか、私が楽しめたのは「ボーダー」だ。

スウェーデンのヨン・アイビデ・リンクビストの原作の映画化。なやましいのは、どんな映画?と訊かれても、すぐネタバレになりそうで、説明しづらいところ。

スウェーデンの港町の税関で働いている、ちょっと人間離れした女性が主人公。鼻が異常に効くので、禁輸品とか申告もれのものを持っているひとをすぐ見つけてしまう。その彼女がものすごく惹かれる相手に出合う。なぜ惹かれるのか、自分でもわからない。やがてそのナゾが解けていく……というのがストーリー。

小説ももちろん悪くないのだけれど、映画は原作の上をいっているかもしれない。小説ではすこし言葉が足りないところを脚本が補っているほど。小説には、主人公に感情移入できるという強みがあるが、ストーリー展開のロジックは映画のほうが上かも。

「パンズラビリンス」や「シェイプオブウォーター」のようなダークファンタジー好きは必見だ。私がこんなことを書くまでもなく、ギレルモデルトロ好きなひとは、とっくに観ているだろう。話題にならなかったのがおかしい作品だった。

そうそう「アイリッシュマン」も209分をこらえて観たが、ハードボイルドな映画だった。笑いはほとんどなし。トニックウォーターで割らない、生のままのジンのような映画である。



ogawa fumio HP

小川フミオのホームページ フリーランスのライフスタイルジャーナリスト。 クルマ、グルメ、ファッション(ときどき)、多分野のプロダクト、人物インタビューなど さまざまなジャンルを手がける。 編集とライティングともに得意分野で企業の仕事もときどき。 ライフスタイル系媒体を中心に 紙とウェブともに寄稿中。