また観てしまった
「エリッククラプトン12小節の人生」をまた観てしまった。
飽きない映画だ。
この映画の見どころは……見どころがたくさんあるのがこの映画のいいところなんだけれど、クリーム時代のフィルムは最大の眼目の一つだ。
というのはジンジャーベイカーのドラムスがとてもよく聴けるからだ。
私は「Wheels Of Fire」オリジナル盤で聴いてみたが3面と4面のライブではベイカーのドラミングはほとんど聞こえない。
そこでリマスターのCDで聴いてみたら、ここではかろうじて聞こえる。
でも映画のような迫力はない。
しかもこのアルバムじたい、スタジオ録音の1面と2面にはジャックブルースのへんなジャズっぽい曲とかあって、どうも好きになれない。
やはり個人的なベストである「ライブ」のリマスター盤がいちばんいいかもしれない。
これはとてもよい。
ただしひとつだけ。
うざいといま思うのはジャックブルースのボーカルパートの多さだ。
だまっていいベースラインを聴かせてくれと思うほどである。
小学生のときはピートブラウンとの詞とともにリリカルなジャックブルースの世界は嫌いではなかったが、好みというのは変わるものだ。
なにはともあれクラプトンを再発見している日々である。
映画ではもうひとつ印象深い場面がある。
私の認識とちがう「証言」が出てくるところだ。
スカイドッグ(デュエインオールマン)との出合いについてである。
映画ではアトランティックレコードのトムダウドがライブにクラプトンをオールマンブラザーズバンドのライブに連れていき、紹介することになっている。
クラプトンはそこでスカイドッグのスライドギターをすごいと思い、「レイラ」(1970年)のレコーディングセッションで行き詰まっていたところを打開するきっかけを手に入れることになっている。
私が聞いていたのは別バージョン。
ウィルソンピケットの「ヘイジュード」(1969年)でスカイドッグのギターを聴いたクラプトンがレコード会社に連絡して紹介してもらうという話だ。
映画は映画で、トムダウドに紹介されたというのがいいエピソードといえるので、否定するつもりはないのだが。
そんなふうに記憶を掘り起こしながら観られる映画でもある。
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