部外者にもやさしさを

欧米の街のいいのは、旅行者が移動しやすいところだ。理由は通りに名前がついているから。
手元のiPhoneでGoogleマップをつかうにしても、クルマのサットナビ(衛星ナビゲーション)に頼るにしても、通りの名前がわかったほうが、安心感がある。
もし、旅行者として日本に来たら、と考えると、ここでは、足りないと思うもの。3つある。
上記のように、通りの名前の少なさが一つ。街を愛する人たちにはとても大切だし、タクシーに乗るときだって便利だ。
二つめは、交差点名の少なさ。あっても、うまく機能していない。本来は交差点名の入力があれば、ルートガイドはうまく機能してくれるはずだ。自分の位置を相手に教えるときも便利だし。でも、以前軽い交通事故を目撃したとき、地元の警察に電話して、交差点名を告げたら、どこだかわからないって言われた。まあ、やる気のないヒトが電話に出たんだろうけど、やっぱり重視されていないのだ。
三つめは、交通標識。空港や駅や警察といった主要な施設の表示が街中にほとんどない点。私は海外で迷いそうになっても、これで助かってきた。フランスだと、小さな田舎道の交差点にも、「パリ方向」って表示があったりする。欧州はたいていそう。ひるがえって日本を考えたとき、箱根にいたとして、羽田空港とか成田空港とか方向を確認できたほうがぜったいに便利嬉。警察の場所だって、もちろんだ。
お金にならないからか、縄張り意識ゆえなのか、上記のことが実現していない理由はわからないが、いまからでも遅くない。街を、再開発の名の下でメチャクチャにするより、いろんな人に住みやすく、愛したくなるようにするのが先決だと私は思ってる。
サンフランシスコでは、足元に通りの名前があって、たいへん心強かった。

ogawa fumio HP

小川フミオのホームページ フリーランスのライフスタイルジャーナリスト。 クルマ、グルメ、ファッション(ときどき)、多分野のプロダクト、人物インタビューなど さまざまなジャンルを手がける。 編集とライティングともに得意分野。ライフスタイル系媒体を中心に紙とウェブともに寄稿中。