18年ぶりに出合えた
ぼくには大好きなマンガ家が何人かいるけれど、そのうちの一人が(そして最も”好き歴”が長いのが)ちばてつやだ。最新刊がさきごろ発売された。
マンガというか自叙伝である。どこまで描くかわからないけれど第1巻では戦後大陸から家族で引き揚げたときの大変な体験が綴られている。
この原体験をちばてつやは過去にも書いているけれど、読むと筆舌に尽くしがたい大変さだったのだろう。それをちば流の筆舌で描くと明るい。友人の突然の死なども悲惨になりすぎない。でも戦争の悲しさが伝わってくる。
ぼくが最も好きなちば作品は「蛍三七子」と「わかとのゴン」(かつて「手塚マガジンれお」に連載)なのだが、後者は単行本化されたのだろうか。はみだしものというのが二つの作品の共通点で、視線は温かい。そこがちばてつやの真骨頂だ。
なにはともあれこの新作、ベッドサイドにおいていつも読んでいます。ずっと作品を発表しつづけてくれることを祈っている。
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