鱧ざんまいでしたハモ

日曜(24日)まで店頭に並んでいる週刊ポストの巻頭グラビアで鱧の特集を担当。

当初話があったとき「え? ポストで鱧?」と驚いた。

これまで聞いていた雑誌の方向性と真逆なかんじだったので。

でもやろうということになり、東京で三軒、京都で三軒。

京都のいいところは上の「竹茂楼」のような店がまえも一つ。

雨がまたよいではないですか。

なかには「和久傳」のように「裸が出ている雑誌に掲載されると社内で問題になる可能性があるので……」とやんわり断られてしまったことも。

和久傳のとりよせもお勧めなのだが。

上は貴船神社そばの川床の風景。

市内より10度Cも気温が低いこともあるという「床(ゆか)」なので鴨川で汗をかきながら食べるより、こちらで鱧しゃぶのほうが風流だろうと取り上げさせてもらった。


こちらは市内・室町の老舗「堺萬」の薄造り。

誰もが出来る料理ではない。

ここは悠揚せまらずというかんじで取材も「ええどうぞ」。なにを頼んでも「はいはい」。じつに丁寧な応対には頭が下がった(出てもらったところは基本的にみなさん同じだが)。

きれいなものです。

京都ではオフになった夜も先斗町で鱧。

鱧の釜飯。

取材でなにかトラブルがあったときの手持ちの札が欲しいのだ。

京都の割烹はなにはともあれうまいね。

骨切りをしてくれているところ。

シャッシャッという快音である。

いっぽう東京では東京ならではの鱧の扱いがおもしろい。

小山薫堂さんが主人を務める「下鴨茶寮 東のはなれ」ではハムカツならぬハモカツを作ってくれた。

下は西麻布「龍眉虎ノ尾」の鱧料理。

四川料理が得意とする川魚料理のレシピで鱧を仕上げたもの。甘さ、香り、辛さとタイプのちがう唐辛子三種と、二種の花椒で仕上げている。

よく出来ているのだ。キワモノではない。

鱧は安くないけれど楽しい食材だ。

京都は伝統料理をしっかり守り、東京では独自の料理で。

おもしろい差のようなものも見ることが出来た。



ogawa fumio HP

小川フミオのホームページ フリーランスのライフスタイルジャーナリスト。 クルマ、グルメ、ファッション(ときどき)、多分野のプロダクト、人物インタビューなど さまざまなジャンルを手がける。 編集とライティングともに得意分野。ライフスタイル系媒体を中心に紙とウェブともに寄稿中。