キュアロン監督の「ローマ」の映像美

ずっと印象に残る映画だ。

なにか人生が変わるというのはないかもしれないが、映像が頭(心というか)のなかで何度も繰り返し立ち上がっては消えていく。

アカデミー外国語映画賞を(万引き家族を抑えて)受賞した作品でもある。

70年代の激動の政変時期にあるメキシコシティのコロニアローマ地区の家族の物語で、ヤリッツァ・アパリシオ(女優賞候補だった)演じる家政婦の視点から物事が描かれる。

グルーミーな「サザエさん」という印象をもって私は観ていた。

白黒の映像がものすごくて、ポスターになっている場面の波の描写は鳥肌ものだ。

(このシーンでない風景などを写真展のそれのようにポスターに使ってもらいたかった)

一回目はついストーリーを追ってしまうので、少なくとも二度は観るべき作品だろう。

音楽の使用は控えめだけれど選曲もかなりよい。

ネットフリックス製作というのも時代の変化を感じさせる。


ogawa fumio HP

小川フミオのホームページ フリーランスのライフスタイルジャーナリスト。 クルマ、グルメ、ファッション(ときどき)、多分野のプロダクト、人物インタビューなど さまざまなジャンルを手がける。 編集とライティングともに得意分野。ライフスタイル系媒体を中心に紙とウェブともに寄稿中。