ポーランド映画の楽しみかた

終わる前に観なくちゃ、と恵比寿ガーデンシネマに駆け込んだのが「メモリーズ・オブ・サマー」だ。

ポーランドのアダム・グジンスキー監督が2016年に撮った映画である。

日本ではようやく公開の運びになった。

遅れた理由はいろいろあるだろうけれど、いろいろチェックするとスクリーン数の不足というのが挙げられていた。

映画館が足りないのだ。

映画じたいは12歳の男の子の一夏の物語。

舞台は1970年代らしい。

テレビという娯楽が生活のなかに入ってきつつある。

ブラッドベリの「ダンディライオンワイン」(たんぽぽのお酒)のようにファンタスティックなお話しにしないで、主人公の悩みを描くのが物語の中心だ。

その悩みはほとんどすべてが対人関係というのが興味ぶかい。

欧州映画だからじっくりと執拗に、12歳の男の子の夏を撮っていく。

なにが残るわけでもないけれど、お金を払って時間を過ごす内容がある。

私は好きである。


ogawa fumio HP

小川フミオのホームページ フリーランスのライフスタイルジャーナリスト。 クルマ、グルメ、ファッション(ときどき)、多分野のプロダクト、人物インタビューなど さまざまなジャンルを手がける。 編集とライティングともに得意分野。ライフスタイル系媒体を中心に紙とウェブともに寄稿中。