犬好きに強くアピールするホテル

2020年10月2日に西新宿に”上陸”したのが「キンプトン新宿東京」だ。Ridiculously Personalを謳い、ゲストへの細やかなサービスを売り物にするというIHG(インターコンチネンタル)系のホテルである。

私はこのホテルをGQで取材。取材日は大磯でメルセデス・ベンツの試乗会があったのに、泣く泣くそこを早めに切り上げて、甲州街道沿いで、パークハイアット東京とは首都高速をはさんで並ぶこのホテルへと駆けつけた。

びっくりしたのは立地だ。前に何があったんだろう。聞いてみたら、空き地だったんだそうだ。オーナー企業がこのときのたまにずっと確保していたのか。そこはよくわからない。

こんなふうに陽光がさんさんと降り注ぐテラスが設けられている。これはいいかんじだ。椅子をぎゅっと詰めているのがとくにいい。コロナ禍がなければ、ひとが集まってお茶を飲んでいる光景が期待できたのに。パリあたりの老舗カフェに通じる雰囲気だなと思った。

パリ出身の副総支配人マキシム・オトリエ氏によると、「レストラン目的に来てもらうようになったら、とてもうれしい」とのことで食事に力を入れているようすがまたよい。ちなみにオトリエ Hotelierってホテル経営者って意味の一般名詞だ。おもしろいなあ。「よく言われます」と当のオトリエ氏。お父さんもホテルで働いていたそうだ。

上の画像はメインダイニング「ディストリクト」で出す「コンフィ、アワビのトスターダ」。多国籍料理を特徴としていて、ようするに世界中からくるゲストのために、さまざまなメニューで楽しませてくれるそうだ。オトリエ氏が勧めるのはステーキ。牛肉が自慢なんだとか。トスターダ、とうもろこしの香りもよく、美味だった。

こちらは1階のカフェ「ザジョーンズ」にて。テイクアウトのメニューも豊富なようだ。すこしディーン&デルーカを思わせる。朝6時半からとビジネスマンを相手にしている。ここで食事してから出勤、なんてすてきな高級ビジネスマンだなあ。

部屋は30平米から70平米のスイートまで、種類が多い。窓が大きい部屋が多いものの、多くの部屋では眼の前に文化服装学院のビルがどんっと建っているのを体験することになる。ということで部屋えらびのときは、ホテルのレセプションとよく相談するといい。

なによりここっておもしろいと思ったのは、ペットフレンドリーの精神だ。「エレベーターに乗れれば何でも受け入れる」という。実際にジャーナリスト向けのお披露目のときは総支配人のネイザン・クック氏が、ウィペットとともに出迎えてくれた。氏の愛犬である。

部屋にも泊まれるし、カフェにもok。専用のドッグフード(銘柄不明)も提供してくれるとのことだ。

私がこのペットフレンドリーの方針について自分のフェイスブックで書いたら、犬好きの友人たちからかなり反響があった。もっと詳しく知りたかったのだが、いまのところ、資料はなさそう。たとえば、ドッグフレンドリールームを持つハイアット・リージェンシー箱根のように、禁止犬種を設けていないのだろうか。はっきりした答えはなかった。

禁止犬種って、ブービエ・デ・フランダース、ローデシアン・リッジバック、ロットワイラー、アメリカン・ピット・ブル・テリア、グラン・ブルード・ガスコーニュ、土佐犬、ナポリタン・マスティフ、ビリー ブルアード、ブル・テリア、ブル・マスティフ 、ベルガマスコ、ボースロン、ボルドー・マスティフ マスティフ、フレンチ・マスティフ、チャウチャウ、ミニチュア・ブル・テリアなどをいう(ハイアット・リージェンシー箱根が用意したリストより)

欧州人ってマスティフが好きなんだなあ。慣れればかわいいんだろうけど(ワンサポナタイム・イン・ハリウッドを思い出した)。

ogawa fumio HP

小川フミオのホームページ フリーランスのライフスタイルジャーナリスト。 クルマ、グルメ、ファッション(ときどき)、多分野のプロダクト、人物インタビューなど さまざまなジャンルを手がける。 編集とライティングともに得意分野。ライフスタイル系媒体を中心に紙とウェブともに寄稿中。