ワーケーション体験

十和田市の奥入瀬渓流で星野リゾートが運営している奥入瀬渓流ホテルで、冬のワーケーションを体験してみない?と誘われた。さきに触れたとおり、八甲田ホテルから向かった先がここ、なのだ。

WorkプラスVacation の造語で、観光の合間に仕事、いや、逆かな、とにかく、ホテルに滞在して仕事と観光の両方を、というプランなのだ。
GO TOキャンペーンで人気が出かかったものの、このとおりコロナ禍はまったく収束していないので、なかなか思うように楽しめない。
奥入瀬渓流ホテルに冬行ったのは初めての体験だった。八甲田からレンタカーで向かったら、途中、吹雪に遭遇したりして焦った。夏は30分でいけるルートが冬季は危険とのことで閉鎖になっていて2時間弱かかった。もっともその道も、私が使った次の日には吹雪で閉鎖になった。本当に雪深いのだ。
まあ、ルートが悪かったわけで、八戸からなら、雪は少なくて、まったく不安がない。八甲田の雪景色、美しいとはいえ、奥入瀬も素晴らしい。今年は寒くて、私が行ったときちょうど寒波の影響もあり、水が一部凍って美しい光景が楽しめた。

部屋は快適で、テラスには露天風呂つき。雪の降る夜中に入ったらなかなかの気分である。でも外が寒すぎてからだがぜんぜん温まらない。結局あわてて大浴場へと駆け込む始末だった。

このテラスの露天風呂、次の日の昼ごろ、フタのうえに大きなつららが落ちていた。見上げると、頭の上にあたるところに何本もつららが。当たったらどうしていたんだろう。でもそういう事故の話は聞かないからだいじょうぶなんだろう。なにはともあれ、こういうときはまずつららを取るところから始めよう。

ワーケーションのワークのほうは、冬だと夏では入れない場所でも、コケを傷める心配が少ないから、と入っていけることもあって、渓流沿いでコンピュータが広げられるようにルーターも貸し出してくれる。渓流沿いで仕事するにはデスクももチェアも必要であるものの、もし真っ白な雪の中でパチパチと仕事したら、どんな気分だろう。

こういう想像の楽しさも、一種の精神のための清涼剤である。

ogawa fumio HP

小川フミオのホームページ フリーランスのライフスタイルジャーナリスト。 クルマ、グルメ、ファッション(ときどき)、多分野のプロダクト、人物インタビューなど さまざまなジャンルを手がける。 編集とライティングともに得意分野。ライフスタイル系媒体を中心に紙とウェブともに寄稿中。