杉本博司「ロスト・ヒューマン」
写真家、杉本博司の「ロスト・ヒューマン」展が
リニューアルした恵比寿の東京都写真美術館で開催中。
行ってきました。
3部構成でメインは「今日世界は死んだ もしかすると昨日かもしれない」
このテーマの下33の展示が展開されるという内容。
杉本氏の写真の展示はごくわずかで
氏が収集した太平洋戦争にまつわる品々を中心に終末観が展開されています。
「(前略)しかし様々な困難により文明は衰退し、
そしてそこに残されたのは文明の廃墟だった(改行筆者)」という手書きのテキストが
のっけから掲載され
展示は
カールマルクスのポートレート
マンハッタン計画の時に爆発観察に使ったというガラス球
硫黄島で日本の敗残兵狩りに使ったという「Jap Hunting License」
日本のポツダム宣言受諾を伝えた第一報の電文。
テキストを書くのは世界の構成員という設定で
理想主義者、養蜂家、政治家、古生物研究者といったぐあいに続きます。
それぞれの立場から世界の終わりを宣言するというもの。
テキストを筆者したひとは
浅田彰だったり磯崎新だったり加藤浩次だったりというぐあい。
名前を見ていく楽しみがあります。
テキストの内容は見方によってはコミカルですが
骨董品のディーラーでもある杉本氏が収集した
品々の迫力はものすごくずっしりきます。
気味の悪い標本室をのぞいた気分。
僕にはおもしろかったので観てみることを勧めます。
11月13日まで。
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