外出自粛の世界で

不要不急の外出を控えるようにというとともに、飲食店には午後8時の閉店と酒類の提供を禁じた東京都の要請により、本当に街が暗くなってしまった。
私は1カ月以上前からの約束で、もんじゃを食べた。酒類が提供されないので、飲んだレモンサワーは焼酎抜き。友人のウーロンハイは、そういうわけで、たんなるウーロン茶、というぐあい。
仕事があるひとたちも、無理して6時に集合して、ラストオーダー7時、にしたがった。食べているのは、もんじゃ、そしてビバレッジなので、まるで高校生に戻った気分である。話していたのは、自動車業界の裏話なので、そこだけは、爽やかじゃないんだが笑
お店で聞いたところ、コロナ禍で、飲食店がやりだまにあげられるようになっていらい、ずっと匿名の嫌がらせが続いているんだそうだ。貼り紙、電話、さらには店先の植木が引っこ抜かれたりするらしい。今回の緊急事態宣言を戦時中にたとえる声もある。それってまさにこういうことなのね、と嫌な気分になった。
店を出て、8時に行くところもないので、じゃ解散しますかということに。久しぶりに会う友人たちなのに、ゆっくり話せなかったのも、心苦しい。周囲もブラブラしているひとが多い。息苦しいかんじだ。飲食店の大事さを改めて感じた。一軒そのあたりでは、遅くまで営業していることで知られる大きめな居酒屋があった。大きめなので、支援金より、営業と科料を払うことを選んだのだろう(周囲にはそういう選択をしたお店のオーナーがけっこういる)。
楽しそうだなあって覗きこんでいたら、前から会社帰りのような雰囲気の50代前半ぐらいの女性がものすごい表情で、店のことをにらみ、店内の様子をジロジロ見て、ささっと去っていった。あのひと、自粛警察になるかも。私たちは嫌なものを目撃したのだろうか。蔓延防止は、店の締め付けではない。私たちひとりひとりの自主的な取り組みが大事なのだ。外食した日に限ってドライ(酒ぬき)という、なんとも、皮肉な結果で終わった一日に、まだ、もやもや感が残っている。

ogawa fumio HP

小川フミオのホームページ フリーランスのライフスタイルジャーナリスト。 クルマ、グルメ、ファッション(ときどき)、多分野のプロダクト、人物インタビューなど さまざまなジャンルを手がける。 編集とライティングともに得意分野で企業の仕事もときどき。 ライフスタイル系媒体を中心に 紙とウェブともに寄稿中。