リンダロンスタット最高

帰国してまっさきにやったのは、渋谷に映画「リンダ・ロンシュタット The Sound Of My Voice」を観にいくこと。最高。

自分でも意外というか、リンダは自作の曲を作らないので、私が好んで聴くジャンルのひとではないのだが、中学生のころから、一貫して聴いている。レコードもCDもけっこう持っている。ウォーレン・ジボン人脈というのもあとで知って、ますます好きになった。

映画は、パーキンスン病で歌うことができなくなった(「音程がとれなくなった」と本人の語りも挿入される)現在のリンダの姿から入る。元気そうで、容姿もぜんぜん衰えていないのだけれど、ずっとソファに座ったままで、このポスターにあるような70年代後半のクラブスカウトの制服ふうのコスチュームで元気に歌っていた頃を思い返すと、悲しくもある。

映画では、リンダがいかに歌うことを愛していたかがえんえんと描かれる。それがすばらしくて、私はこのあと、リンダとエミルー・ハリスとドリー・パートンのザ・コンプリートトリオの完全版(3枚組)を購入してしまった。

エミルー・ハリスは、かつてグラム・パースンズとのデュオで人気を博したが(Return Of The Grievous Angelはいまも愛聴曲)、グラムが73年にODで他界(この曲を収録したアルバムの発売は彼の死後)、活動が低迷し、どうしようと思っていたところに、リンダがやってきて、よかったら一緒に歌わない?と声をかけてくれたそうだ。とてもいいエピソード。

映画のあと、会場では拍手が起きていた。そういう映画なのだ。なぜか、ウォーレンジボンへの言及はないのだけど、Poor Poor Pitiful Meは歌ってくれる。なにはともあれ、ぜひ観てください。


ogawa fumio HP

小川フミオのホームページ フリーランスのライフスタイルジャーナリスト。 クルマ、グルメ、ファッション(ときどき)、多分野のプロダクト、人物インタビューなど さまざまなジャンルを手がける。 編集とライティングともに得意分野。ライフスタイル系媒体を中心に紙とウェブともに寄稿中。