冬の軽井沢での発見

先週、軽井沢に(新幹線で)出かけた。
目的はプジョーの新車の試乗。
リフターロングという3列シート7人乗り。
いかにも欧州製のガッチリした機能主義的な作りのMPV。
媒体はGQウェブで、編集のI氏とフォトグラファーのY氏と出かけた。
東京駅の地下でI氏が見つけた「白えび亭」の海鮮丼で腹ごしらえ。
新幹線は中国からの人が多い模様で混んでいた。
私の隣には若い(おそらく)中国人の女性。
リモバの透明ポリカーボネートのキャリーオンを持っていた。
数年前にはいろんなところに意気揚々と持っていたであろうリモバ。
またようやく引っ張り出せるようになって、よかったね!なんてことは、心の中で思っただけ。
おもしろかったのは、いっしに旅をしている男性は彼女の前の席に、つまりカップルだけど縦一列に並んでいる。席が取れなかったのか、窓口でうまくコミュニケーションが取れなかったのか。何かが取れないと、もう一つも獲得できない。
微笑しかったのは、静かーに2人がやり取りをしていること。
前の席の男性がこそっと振り返って、自分が食べている崎陽軒(字の変換違うけど)のシウマイの中に入っているセラミックの醤油差しを、ニコッと彼女に見せていたり。
ロングヘアの彼女は、ハンバーグ弁当をそれはそれは上品に、舞妓はんか?と思うぐらい、少しずつ箸で割っては口に運んでいた。
食べ終わったときは、大宮をとっくに過ぎていた。
北方面に向かう新幹線で駅を気にする自分は、伊坂幸太郎の「マリアビートル」みたいだ。とも思った。

軽井沢駅も台湾とか中国かな、韓国もいるだろうか。東アジア系の人で混んでいた。みなさん、身なりがよくて、この時期に軽井沢に来るのは、それなりの人なんだろうか。

改札に上がるエスカレーターは長い行列。みんな一列になって右を開けるからだ。東京でも至るところで見られるエスカレーター渋滞の光景。同調圧力の一例。
でも東アジアからの観光客も右にならえで同じことやってたんだろうか。やってて欲しくない気がする。
着いたらまたランチ。今回はアウトレットモール内のステーキハウスで、10オンスぐらいのサーロイン。
メニュー見たら、トマホークもあると書いてある。夜とか食べる猛者がいるんだろう。
日本人はシェアするけど、欧米人は一人で食べる。たとえ1.5ポンドぐらいあろうと。
私はステーキ原体験が飯倉片町交差点そばにあった、アメリカふうステーキの「チャコ」だったので、ステーキだけは、いわゆるインペリアル表記が馴染みがある。
1ポンドは、アメリカだと450グラム少々。1オンスはその16分の1。
プジョーはデカくて、重量も1.7ポンドじゃなかった1.7トンあるが、1.5リッターのディーゼルエンジンが、激賛したくなるほど力強い。
碓氷バイパスの登りだろうとガンガン加速していく。
荷物ものすごくいっぱい積めるので、軽井沢に別荘ある人はどうぞ、というかんじだ。
軽井沢でのほかの発見は、駅中に、私が大好きな長野のスパイス屋である八幡屋礒五郎があったこと。
ここですぐに、花椒と、バーズアイと呼ばれるめちゃめちゃ辛い唐辛子のパウダー(のスペア)を購入。
東京にも出店して欲しいと、感じのいい売り子さんに力説しておいた。
送料も高いのだ。
帰りの新幹線まで少し時間があったので、ミカド珈琲でコロンビアスプレモ。
淹れるのに時間がかかるかもしれません、と言われたので、万が一のときはテイクアウトできるように紙のカップで注文。
結局ギリギリ間に合った。
でもI氏は立って飲んでいた。からだ半分は出口のほうに向けて。笑った。
雑味が混じられず、苦味もほどほどのおいしいコーヒーだったので、ちゃんとしたカップで飲みたかった。

ogawa fumio HP

小川フミオのホームページ フリーランスのライフスタイルジャーナリスト。 クルマ、グルメ、ファッション(ときどき)、多分野のプロダクト、人物インタビューなど さまざまなジャンルを手がける。 編集とライティングともに得意分野。ライフスタイル系媒体を中心に紙とウェブともに寄稿中。