ピンクピッグ

私が好きなポルシェは?と訊かれてすぐ思いつくのがこの「917/20」だ。

1971年のルマン24時間レース出走車である(リタイヤ)。

当時のポルシェ(というか開発メーカー)の主張ではホイールをボディで覆ってしまったほうが(ボディ幅を拡げたほうが)空力がよくなり最高速が上がるという理論で設計されたと聞いたことがある。

傑作なのは当時ポルシェレーシングのスポンサーはイタリアのマルティニだったが、完成車を見てカッコ悪いという理由でマルティニはこのクルマに自社のカラリングを施すのを拒否したというエピソードだ。

私はそれが人間くさくて好きな話である。

それでヤケクソになったのか(そのへんの真実はなんだろう)ポルシェではこんなふうに「豚」色に塗ってしまった。

書かれた文字は豚肉の部位である。

それでいまではピンクピッグと通称されている。

でもポルシェもじつは意外にも嫌いでないらしく、2018年のルマンのGTEプロクラスには同じカラリングの911RSRを出走させた。

それでみごとクラス優勝である。

上の写真はグッドウッドで撮影したもの。

味がある。

それでルマンではこの「豚」Tシャツが売っていた。

私もポルシェのグッズストアに並んだが売り切れ。

それをこのあいだ友人のタケハナさんがドイツで買ってきてくれた。

これで夏の楽しみが出来た。


ogawa fumio HP

小川フミオのホームページ フリーランスのライフスタイルジャーナリスト。 クルマ、グルメ、ファッション(ときどき)、多分野のプロダクト、人物インタビューなど さまざまなジャンルを手がける。 編集とライティングともに得意分野。ライフスタイル系媒体を中心に紙とウェブともに寄稿中。