ヒューマンフロー観た
ベルリン在住で中国出身の芸術家で建築家で評論家でもあるアイウェイウェイが監督した「ヒューマンフロー」を観た。
難民をテーマにした作品で、おもな舞台はギリシアとトルコ。
最初は楽観的に欧州に行けると思っていたシリアからの難民である彼らがやがて国境が閉鎖されはじめて、最後はトルコからその先へと行けなくなる。
アイウェイウェイのキャラなのか悲観的な描き方ではない。
それでずっと作品を観ていられるのだが、最終的にはオチがなく、どんどん状況が悪くなっていることがわかり映画は終わる。
途中でかつての英国の「The Independent」が掲げた見出し「Europe, what now」という言葉が衝撃的だ。
どうしたんだ、欧州よ、いまの体たらくは、とでも訳すのか。
難民を追い返すようになったら欧州は終わりだとアイウェイウェイはメッセージを送る。
最後のほうにはメキシコ国境に壁を築く米国の様子が出てきて、重ねてJFケネディによる「(先住民を除いて)私たちは移民か、移民の子孫だ」という言葉が画面に掲げられる。
そこで日本の観客は思う。
アイウェイウェイの中国も、ここ日本も、なにをやっているんだろう。
いい映画である。
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