車中で思い出した音楽体験

新聞を見ていたら上記の広告が出ていた。

そういえば、中学生のころウドー音楽事務所にはお世話になったなあ。

お小遣いためて、親にねだって……来日ミュージシャンのコンサートに行くのに必死だった。

この広告と同じタイミングで、米国で仕事仲間のオーストラリア人ピーター・ライオン氏と700キロほど二人でドライブする機会があった。

ライオン氏もクラシックロック好きなので、好きな音楽をかけてくれるラジオ局を探し、と音楽でも楽しませてもらった。

そのとき氏が教えてくれたのが英国のJames Cordenのテレビ番組だ。

ロックミュージシャンとドライブしながらそのひとの代表曲を歌うぜいたくな番組。

ロッド・スチュワートのときも傑作だ。

「ツアーでホテルに泊まると酔っ払って家具を壊すので、チェックインときはフェイシズでなく、フリートウッドマックとしていた」というもの。

エルトン・ジョンの回もノリノリなのだが、それとウドーの思い出が私のなかで化学反応を起こした。

それもいやなケミストリーである。

エルトン・ジョンは私が大好きなアルバム「Goodbye Yellow Brick Road」を出したあと、初来日をする。

勇んで日本武道館でのコンサートに出かけたのだが、ものの15分ほどで体調が悪いとコンサートは中止になった。

しょぼーんと帰り、翌日、一緒にコンサートに出かけた友人とウドー音楽事務所に電話をかけて、払い戻しはないのでしょうか、と訊いた。

答えはにべもなく「ありません」。

がっかりした。

ところがどうやら、払い戻しはあったのである。

大人には払い戻しがあった。

お小遣いのひっ迫している中学生は鼻であしらう。

それいらい、私はここが大っ嫌いである。

でもイベントには出かけてみたい気持があって悩ましい。


ogawa fumio HP

小川フミオのホームページ フリーランスのライフスタイルジャーナリスト。 クルマ、グルメ、ファッション(ときどき)、多分野のプロダクト、人物インタビューなど さまざまなジャンルを手がける。 編集とライティングともに得意分野。ライフスタイル系媒体を中心に紙とウェブともに寄稿中。