こんなに若いひとがいるなんて
東京都現代美術館で週末を含めた連休中に開かれていた「Tokyo Art Book Fair」に滑りこみで出かけた。
空いているかなという予想とはうらはらに、電車のなかからして混んでいて、会場はひとで溢れかえっていた。
私などはほとんど最年長の部類で、20代とおぼしき若い人だらけだ。
こんなに若いひとがいたのか、と感心。
しかもアートブックに興味あるひとが。
私はスイスのLars Muller Publishersの「100 Years of Swiss Graphic Design」をまず購入。
ここはバウハウスの教授陣による著書をオリジナルに近いかたちで復刻してもいて、パウルクレーの本は売り切れだった。
グロピウスより人気あるのだ、意外にも。
私が買ったのはあとは韓国やフィリピンから出展していた個人のZINEだ。
ZINE(ジン)はマガジンの短縮形で、個人出版(あるいは印刷)のブックレットとか雑誌のことをいう。
たとえば上はソウルから来たイラストレーター、Leebin Soeyonのブースだ。
私は300円で日本文学をもとにしたイラスト集を購入。
70ミリ×35ミリの豆本だが、谷崎「痴人の愛」とか「鍵」とか「吉野葛」とかをモチーフにしている。
谷崎は韓国ではあまり知られていないそうだが、「興味を持ってもらいたくって」とブースにいたソウルから来た女性(本人じゃないだろうな)は話していた。
会場は通路がものすごく狭いこともあり、押し合いへしあいで、かなり疲れた。
でもなかなかおもしろい。
こういう形態のメディアの行く先はまったく見えないが、気に入ったカフェで自分のZINEを置いてもらい、共感できるひとがそれを買うというのはなかなかいいかもしれない。
日本だったら印刷所とか製本屋さんが協力したらおもしろいものが出来るかも、とも思った。
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