フェラーリとソーシャルディスタンス
3月にフェラーリが新型GT「ローマ」の日本でのお披露目を行った。私は昨年秋、ローマでの発表会にも招いてもらっているので二度目の対面になる。
美しいスタイルがなによりセリングポイントのモデルで、フロントエンジンの後輪駆動。シートは「2プラス」といって、前の席の後ろにものが置けるようになっている。ひとが乗るのはかなりキツそう。
東京での発表会は、本来は大々的にやるということだったが、状況が激変したため、招待者数をかなりしぼって、しかも席と席のあいだを大きくとるなど”正しい”配慮でもって行われた。
このクルマのキーコンセプトというか宣伝のコピーは「新しい甘い生活」。日本でも使っていた。ただし……このマストロヤンニ(本人はお父さんの影響のあってランチアが大好きだったと、CG誌のOさんが教えてくれた)のシーン観て、なんだかわかるひとって、かなりの歳かも。
40代にとってローマってなんだろう。文化的なイメージはあるんだろうか。ピチカートファイブ好き(これも50代か)とかには、どこか響くものがあるかもしれないが。アルベルト・モラビアももはや読まれていないしなあ。
で、きっとそういうことが世界的にあって、ローマの地位が地盤沈下したため、フェラーリはひと肌脱いだんじゃないかと思う。ミラノなどに負けてるローマがヘゲモニーを取り戻すには、国際展示場とか鉄道網とか、いわゆる都市のインフラが必要なんだが。
でもローマに出かけたとき、朝早くて交通が少ないなか、ライトアップしているコロセオとか回って空港に行ったら、ローマはやっぱりローマだった。こういう都市はほかにない。
COVID-19が広まるのは、なんとか阻止したいものだ。自分たちが出来ることは、感染しないってことぐらいだから。その気になればいいとこまで行くはずなのだ。
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