下手の横好きカメラ篇

取材に行くとき、私は、デジタル一眼レフを、持っていくことが多い。プロの写真家がたいてい一緒なので、うっとおしいだろうなあ、悪いなあと思いつつ。
レンズは(自分的には)高いものも持っているけど、最近は常に「パンケーキ」と通称される、40ミリの単焦点レンズ。素人は単焦点の少しだけワイドなレンズが楽しい、と言うのが持論なのだ。標準の50ミリ使え、とは、昔から写真家の方々にアドバイスされることで、従うべきだろうが、薄いパンケーキにはないので、40ミリになっているのだ。
でもって、撮るときは、素人として、ジタバタしていろいろ試している。ついやってしまうのは、開放で撮ること。このレンズばF値に合わせて2.8で撮っている。ときどき劇的な効果が得られるが、人物をふわっと撮るいがいだと、「開放で撮ると写真が上手くならない」というプロの意見もまた、頭の片隅にある。
何はともあれ、大きなカメラにはiPhoneなんかと比べものにならない、操作の楽しさがある。私がずっと欲しいなと思っているクルマの中に、小さなマツダ2の15MBというモータースポーツで使うことを前提とした、素うどんのようなマニュアル車がある。
エンジントルクが薄いので、スムーズなシフトアップにも慣れが必要なところがたいへん気に入っている。
スポーツにしても料理にしても、身体性とは切り離して存在しないものこそ、愛すべき理由があるのだ。

ogawa fumio HP

小川フミオのホームページ フリーランスのライフスタイルジャーナリスト。 クルマ、グルメ、ファッション(ときどき)、多分野のプロダクト、人物インタビューなど さまざまなジャンルを手がける。 編集とライティングともに得意分野。ライフスタイル系媒体を中心に紙とウェブともに寄稿中。