中国と中華の境目

先日、取材の折に御殿場の「名鉄菜館」でランチをたべた。名古屋の名鉄が経営しているこのレストランを訪れたのは1900年代の終わりの頃いらいだ。

富士スピードウェイに行くとき前を通ったりしていたので、健在なのは知っていた。
で、実際、料理を食べてみると、新しさはないものの、それなりに満足できる。
昔のままの料理は古くさくなるので、変わらないおいしさ、なんて評価は、じつは変わっているから出てくるのだとは、よく言われること。すぐれた料理人は時代に合わせて、味を調整しているのは、知られたことだ。

頼んだのは、ド定番の料理ばかり。焼売に、春巻。そして、青椒肉絲。

それからエビのチリソース炒め。
しめは炒飯。最後にフカヒレ(風味)のスープが出てきた。スープを最後に持ってくるクラシックなスタイルも、いいかんじではないか。
名鉄菜館は、私が自動車誌の編集をやっていた時代、箱根で夕方まで撮影し、帰宅のとき大渋滞に遭遇すると、それを回避するために寄っていたこともたびたび。
驚いたのは、あのクルマ乗ったとき行ったなあ、とかけっこうおぼえていることだ。どうでもいい記憶は残り、大切なことは、指のあいだから砂がこぼれるように、記憶から消えてしまう。やれやれ。というオチでした。

ogawa fumio HP

小川フミオのホームページ フリーランスのライフスタイルジャーナリスト。 クルマ、グルメ、ファッション(ときどき)、多分野のプロダクト、人物インタビューなど さまざまなジャンルを手がける。 編集とライティングともに得意分野。ライフスタイル系媒体を中心に紙とウェブともに寄稿中。