プリツカー賞2017年

すぐれた建築家に対して、ハイアットホテルズ&リゾーツのプリツカー財団が与える「プリツカー賞」。2017年はカタラン人の3人組「RCRアーキテクツ」が受賞。5月には赤坂での授賞式(日本では2回目)のために来日した機会をとらえてインタビューしました。

プリツカー(実際はプリズカーと発音している)ファミリーが「ノーベル賞がカバーしていない分野でノンプロフィットの賞を設立しよう」と思い立った(実際はそういう提案に耳を傾けた)のは1970年代前半。

最初はインターナショナルスタイルの提唱者である米国人のフィリップ・ジョンスンへ授章とまあまっとうな始まりでした。今回はジェイとシンディというプリツカー夫妻の息子で、現在はこの賞を引き継いでいるトーマス・ジェイ・プリツカー氏にも話を聞けました。

プリツカー氏によると、評価が定まったひとに授章、という評価を覆したことで(ジマンしたいのが)1989年のフランク・ゲーリー氏への授章だったそうです。「彼が有名になるのはそのあと●年にビルバオにグッゲンハイムミュージアムを建ててからですから」。

未来を評価するということを強調したいプリツカー財団にとって今回のRCRアーキテクツは

昨年のアレハンドロ・アラベーナに続き、世界的な知名度は低く仕事も地域性が強いけれど、それゆえにプリツカー賞的ということができるようです。

RCRアーキテクツの特徴は、3人組であること(プリツカー賞で3人以上の受賞は今回が初めて)と女性の受賞はザハ・ハディド氏と妹島和世氏についで(貴重な)3人めであることなどもあげられます。

RCRアーキテクツの作品はその建築が建てられる土地の地形や土地の文化を昇華させているところといえるでしょう。土地の傾斜などは彼らの”大好物”のようです。

ローリエット(受賞者のこと)の発表は3月でしたが、実際に電話がかかってきたのは「2月でした」と3人組のひとり、ラファエル・アランダ氏(左)は教えてくれました。「黙っているようにと言われたんですが、もう嬉しくて嬉しくて、人生で最大の苦行でした(笑)」とのことです。いい話ではないですか。

そのへんの話は6月24日発売の「GQ」8月号に書きました。

ogawa fumio HP

小川フミオのホームページ フリーランスのライフスタイルジャーナリスト。 クルマ、グルメ、ファッション(ときどき)、多分野のプロダクト、人物インタビューなど さまざまなジャンルを手がける。 編集とライティングともに得意分野で企業の仕事もときどき。 ライフスタイル系媒体を中心に 紙とウェブともに寄稿中。