乗るとホントにすごい

ランボルギーニのスタイルはここ10年(以上)のスポーツカーデザインのなかで、ぼくがもっとも気に入っているものです。理知的なのだけれど、それでどこまで迫力が出せるかという。ナイフのようなデザイン。

先日富士スピードウェイでニューモデルの試乗会がありました。左はV12気筒の最高峰アヴェンタドールS、手前は2017年春に発表になったV10のウラカン・ペルフォルマンテ。

アヴェンタドールSにはバレンシアのサーキットで試乗したことがありますが、久しぶりに乗ると、フツウにものすごい速度域で走れるところがスゴいと改めて感心。

ウラカンのなかでも最もトンガったペルフォルマンテは、5.2リッターで640馬力で4WD。特徴は徹底した空力ボディ。後ろにそびえたったスポイラーは風の力を使って後輪を路面に押しつける働きをするのですが、それだけでなくボディのまわりの流れる風のながれを電動のフラップなどでコントロールします。

高速でカーブを曲がるときは遠心力の影響で内側の車輪がやや浮き気味になるものですが、この車体では右のほうからスポイラーに風が流れるようにして、ダウンフォースという力が内側にもしっかり発生するようにします。

これをランボルギーニでは「ランボルギーニ・アエロディナミカ・アッティーバ」と名づけています。そのせいかサーキットで乗るとこんなにするどく速いクルマあるのか、と驚くほどの性能ぶり。

後で広報のひとに「どっちが好きだった?」と訊かれて、もちろんべつのよさはあるけれど、感動的だったのはウラカン・ペルフォルマンテだったと答えると、「みんな同じ返事ですね!」とのこと。やはり。

ぼくは前日に自動車ジャーナリストの島下泰久さんからも「ウラカンすごかったですよ」と聞いていたので、刷り込みか?と一瞬思ったが、後輪ステアシステムを持ったアヴェンタドールSは(ああ見えても)公道でもふつうに取り回しのよいモデル。ウラカン・ペルフォルマンテは頭が真っ白になってしまいそうなモデル。どっちを重視するか。そういうことでしょう。でもどちらかで迷うのかな。

画像は2点ランボルギーニジャパンからの提供です。


ogawa fumio HP

小川フミオのホームページ フリーランスのライフスタイルジャーナリスト。 クルマ、グルメ、ファッション(ときどき)、多分野のプロダクト、人物インタビューなど さまざまなジャンルを手がける。 編集とライティングともに得意分野。ライフスタイル系媒体を中心に紙とウェブともに寄稿中。