VWのデザイン戦略について
先週、フォルクスワーゲンのドイツ本社がスカイプで、最新のデザインの考えかたについてのプレゼンテーションを行った。
スカイプってめずらしいが、COVID-19下でのあたらしいやりかたなのだ。
私はなんでも日本から一人だけ招待されたらしい。
新しいデザインツールといっても、いきなりシステムが刷新されたのでなく、ゴルフでいうと先々代のゴルフ6あたりから使いはじめ、2019年秋に発表されたゴルフ8で大々的に活用したということだ。
メリットは、時間の節約と、プレゼンをしたヘッドオブデザインのクラウス・ビショフ氏が解説してくれた。
すごかったのは45分間ぐらい、ビショフ氏がひとりでえんえんと、ジャーナリストがスカイプの画面に打ち込んだテキストによる質問を読み上げ、それにていねいに答えてくれたこと。
しまいには、質問がなくなったほどだった。
結果おもしろいことがいろいろわかった。
デザインが完成するのに1年半しかかからないそうだ。
エンジニアリングの要件も最初から盛り込めるという。
しかもディテールの作り込みが精密なのも、従来と一線を画しているところとのこと。
例としてスカイプの画面上で見せてくれたのはゴルフGTI Mk8で採用したハニカムパターンのアンダーグリル。
従来はかなりめんどくさい作業だったそうだが、新しいデザインツールではあっというまに作れるそうだ。
3D造型もかなりリアルに出来るそうで、クレイモデルを削ってつくる機会も減る(=時間と経費の節約)という。
これが意味するのは、経費の節約と組織のスリム化と(市場の)変化への迅速な対応という、COVID-19が(あるていどの)収束をみた後の、フォルクスワーゲンの出口戦略にとって、デザインも重要な働きをするということだ。
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