シャイニングもまたよし
先だって、青森は八甲田ホテルに投宿。ワーケーションというのが取材テーマである。青森市内からレンタカーを借りて出かけていった。スタッドレスタイヤを履いた4WDの旧型ノートである。途中までは2WDで走れたものの、すぐに雪がどんどん降ってきて、タイヤが滑るところもあり駆動力が思ったようにかからなくなった。
12月に酸ヶ湯を訪れたときは、まずまずの積雪だったものの、今回はまさに「八甲田山死の彷徨」ってありうるんじゃないかってレベルで雪が降り続いていた。
ひさしぶりに泊まった八甲田ホテルはほとんど客がいない。いや、むしろ何組かが投宿していることじたいのほうが驚きだった。
ホテルは静かで、なんの音もしない。一瞬、スティーブンキングの「ザ・シャイニング」を思い出したほどだ。でも静寂のなかで時間を過ごすというのは、めったに出来る経験ではない。棟方志功の版画がいたるところに飾られた八甲田ホテルで夜をすごすのは、なんだか気持ちがすっとするような体験になった。
強いていえばバーを長い時間空けて、時間がある客はそこでバーキープと話ができるようになっていたりとかすると、うれしい。ちょっとひっこみ思案の青森県人(津軽人?)の性格ゆえなのか。1泊でもひと恋しくなったのは、それもまた事実である。
酸ヶ湯は気持ちよかった。ここもひなびているのだが、印象に残る温泉だ。すごい匂いのする湯で、温泉って入ったあとはあまり洗い落とさないほうがいい、と思いこんでいた私はタオオルで水気をとったあと、服を着込んだ。するとそのあと温泉の匂いが消えるまで、3回は洗濯しなくてはならないはめになった。まあ、いやな匂いではないのだけれど。
上はメインダイニングで食べた「青森県産牛フィレ肉 柚子胡椒ソース」。肉にはそれなりに味があってよかった。でもビーフなので柚子胡椒はいまひとつ合わない。それがやや残念。柚子胡椒が合うのは九州だけに鶏である。
このあと奥入瀬渓流ホテルへと。そのことは「メンズプレシャス」のウェブサイトで書いた。ホワイトアウトに遭遇したりして劇的なドライブだったなあ。
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