変わっているからいいのか2
ENGINEの11月号(発売中)でプジョーのSUV、3008について書いた。ひとはMPVを必要とするけれど、欲しいのはSUVだ、とこのクルマの開発にあたってプジョーの開発陣は言ったとか。
フランスではSUVはこれまでなかなかない分野だった(意外だけれど)。
例外は77年のマトラシムカ・ランショで、これはいまのSUVの先駆けだった。ゴツい見かけとグラウンドクリアランスをたっぷりとることで、前輪駆動でも日常使いなら十分役に立つという割り切りかた。
いまでも十分に通用すると思う。
ぼくが乗ったプジョー3008はディーゼルエンジン車でよく走った。力はたっぷり。
ちょっと変わっているなと思ったのはタイヤで。マッド&スノーを履いているのだ。なんでだろう。
そのせいか乗り心地はややゴツゴツとしている。タイヤの存在感が大きい。というか主張しすぎていてやや洗練性に欠けるところがある。
外観もさることながらダッシュボードのデザインもユニークだ。とくにシフトレバーなどは変わっていようとしているために変わっている、というかんじだ。
でも意外に扱いやすい。
ドイツ車や日本車に慣れていると違和感もあるけれど、慣れるといいかんじ。そういうクルマである。
なぜフランスは伝統的にそういうクルマづくりなのだろう。むかしから”おもしろいなあ”と思っているのだが明確な答えを聞いたことがない。
紳士靴やスーツやカバンなどはまともだ。文学や音楽や映画などもユニークなものはあるけれど、あえて英米のロックミュージックやジャズミュージックとちがうことをやろうということを自己目的化しているわけではない。
クルマがめずらしい例外なのだ。
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