沈黙の価値は

ボルボの取材でストックホルムへ。11月のこと。私がジョインしたのは、いわゆるライフスタイルジャーナリストの一団。日本人は私だけ。まあそれなりにお互い気をつかいあう取材旅行だった。

このとき、一人だけものすごく寡黙なトルコ人ジャーナリストがいた。イヤなかんじではないのだがとにかく喋らない。私はいちど夕食の席で彼と向かい合ったことがある。このときほかのメンバーが4人いたが、みな自分のとなりとずっと喋っていて、私はトルコ人とふたり、じっと黙ることに。

笑う。

しまいに、ほかの国(このときは、韓国、米国、フランス、デンマークがいた)が助け船を出してくれて、私は彼らのほうへ少しずつからだを傾けて、会話が始まったのだった。いま思えば、ユニークな体験だった。

ここは「Borasco」という地中海料理のレストラン。かなりバスクがかっているかんじだ。バスクはようやく世界中に定着してきた感がある。

ogawa fumio HP

小川フミオのホームページ フリーランスのライフスタイルジャーナリスト。 クルマ、グルメ、ファッション(ときどき)、多分野のプロダクト、人物インタビューなど さまざまなジャンルを手がける。 編集とライティングともに得意分野。ライフスタイル系媒体を中心に紙とウェブともに寄稿中。